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[件名]
手作り
[本文]
うちの地域の伝統工芸で牛の皮を薬品を使わずに塩だけでなめす技法がある。昔はその皮で剣道の防具や野球のボールを作っていたそうなんだけど、全行程を手作業で行うために生産数が少なく、タンニン等の化学薬品をつかったなめしが行われるようになると、その技法も衰退の一途をたどり、いまや後継者もなく、その技法で皮のなめせるのは一人だけになってしまったのだそうだ。そこで後世に残すために保存会を作ってその技法を保存する事にしたそうなのだが、そのなめしの説明で、手でなめすのにくらべ工場でタンニン等でなめすと大量に生産でき、かつ水に強いという性質を持つ。とある。ん?
じゃあその伝統工芸のメリットは? ただしんどいだけなんじゃないのかその技は。
どうもうちらは手作りというものに格別の思い入れがあるようで、「機械にはだせない〜」という文句を手作りの物全てに期待しているような気がしてならない。
たとえば手打ちそばと機械打ちのそば、どっちを食べたいかといえば手打ちそばだろう。なぜなら、うちらは心の中で機械なんかに本当のそばが打てるか。って思っているから。しかし、実際の所、手作りといってもぴんきりに違いない。
機械でやった方が手でやるよりも優れたものが出来る事の方がはるかに多いに違いない。それでもやっぱり人間の方が優れていると思いたい人たちが大多数だろう。
機械で作ったものには心が無いとか言い出す人もきっといるだろう。うちが思うのはそれはどっちが優れているという事じゃなくて単に得手不得手の問題だろうということ。
正確さではやっぱり機械にはかなわない。手作りを貴ぶ人たちはなんでも手作りが一番と思ってる気がするけど、本当は手作りなんてものは所詮、手で作っただけのものなのだ。